視力|視能の矯正・視力に関する専門団体「日本視能訓練士協会」

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みる(眼)こと  わかる(脳)こと

“ものを見ている”ときの、眼と脳の働き

右の図を見てください。2個のカギフックを含む白いブロックが青い地の中に見えますか?正方形が1つ、長方形が…??なんて見ていると、もっと大切なものが……
もう、気がつきましたね!(答えは文末)

白と青の図柄、与えられた視覚の外部情報はまったく同じです。しかし白ブロックと青色の文字は切り替わって見え、しかもどちらか一方しか見えてきません。このように、私たちのものをみる機能は、与えられた刺激を処理する段階と、そして見えをコントロールしている脳の働きによって成り立っているのです。

ここでは、私たちが"ものを見ている"ときの、眼と脳の働きについて考えてみましょう。ここにリンゴがあります。リンゴは眼球の角膜や水晶体を経て、上下左右の反転した像として網膜に投影されます。網膜(感覚器)では、刺激に依存した電気信号(情報)に変換され、脳に送られて形態の知覚処理が始まります。

視覚情報の伝達経路

さて、それでは視覚情報はどのようにして感覚され認知されるのでしょうか?

この図は、視覚情報の伝達経路を、1枚の図にまとめたものです。脳を下から観ています。角膜・水晶体・硝子体を通過してきた光は、網膜で電気信号に変換され、視神経・視神経交叉・視索・外側膝状体・視放線を経て後頭葉の第1次視覚野に送られます。(別刷日経サイエンス 脳と心 を改変)

網膜

ここでは、視覚情報の始発駅'網膜'と中央駅'脳'について、簡単に紹介します。

これは、ヒトの右眼の眼底写真です。中央のやや濃い色のところが、中心窩と云われるところです。一般にものをを見る時は、この部位が使われます。その周囲に動静脈が見えます。右側の白い円形のところが視神経乳頭です。

外界の刺激は角膜・水晶体・硝子体を経て、網膜に達します。網膜には錐体と杆体という2種類の視細胞があります。錐体細胞は明るいところで優位にはたらく細胞で、網膜の中心窩付近にたくさんあります。この中心窩付近の細胞は、小さな細胞体で小さな守備範囲をもつミジェット細胞という神経節細胞に情報を送ります。

中心窩には、このようなセンサーが細かく密に配置されており、眼に病気が無いとき、私たちが興味のある物を細部まで観察でき、よい視力が得られるのは、網膜のこのような構造と機能に支えられているからです。

神経節細胞の情報は、視神経乳頭で束ねられて外側膝状体に達します。その間、視神経交叉で左右の視覚野の情報は振り分けられ、右視野の情報は左の後頭葉に、左視野の情報は右の後頭葉に伝えられます。網膜の電気信号は約1/10秒(75-100ms)で後頭葉第1次視覚野に伝えられます。

後頭葉第1次視覚野

これはヒトの脳の写真(MRI)です。左は脳を下から、また右は脳を横から観た写真です。 赤線の中が後頭葉第1次視覚野です。(1目盛りは1cm)

後頭葉第1次視覚野は鳥距溝を取り巻くように存在し、後頭の先端部には中心視野が、内側には周辺視野が再現されています。この領域では主に形の要素の基本処理が行われるとともに、背景と異なるパターンのものを分離して見つけだす機能をもっています。また形全体を把握したり、手前の物体でその一部が隠された物体の形を見る機能があります。これらの働きは視覚野に情報が伝達された後、約30-40msの間に起こります。

また必要な視覚情報を選ぶ時は側頭葉の上側頭溝が、注意を向ける時は頭頂間溝が、眼を動かすときは前頭眼野が活動します。記憶しているものを思い出したりするには、側頭葉の内側にある海馬が働きます。見たものを理解して判断する、すなわち感覚から認知までには、約1/3秒(300ms)かかります。

後頭葉第1次視覚野

たとえば、視力検査の時、<環の切れている方向をおしえて下さいね>と云われると思います。

こんな時、例えば「右」と答えるには、眼球の角膜・水晶体・網膜・視覚伝導路と後頭部にある第1次視覚中枢の機能と、右はどちらかという過去の記憶・視標を注視するための眼球運動や注意にかかわる多くの脳領域の機能を総動員していることになります。すなわち、視力には感覚・知覚・認知のすべてが反映されているわけです。

私たち視能訓練士は、視力を測る時、光学的な知識と眼と脳の解剖・生理の知識を背景にし、更に眼の病気のことを理解しつつ、視覚に関わる感覚・知覚・認知の情報処理機能を測っているのです。視力検査だけではありません。わたしたち視能訓練士は、科学的な眼をもって視機能全般を見守り、障害がある時はその改善のために、がんばっています。

問題の答え:LIFE

視力には感覚・知覚・認知のすべてが
反映されています。

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